【症例1】
主訴:頻尿・関節痛
現病歴:
前医で、頻尿、ドライアイ、下痢症、不安神経症で漢方治療受けていた。遠方のため当科へ紹介。現在は、起床時に手指のこわばりと下肢、背中の痛みがある。リウマチ専門クリニックでは異常なかった。
現症:
舌候 淡紅・舌下静脈++、脈候 沈・弦、腹候 腹力3/5、心下振水音±
経過:
07/10 頻尿に対しては前医薬の清心蓮子飲が著効していたためこれを継続し、関節痛
に対しは桂枝加苓朮附湯を1ヶ月処方。
10/29 久々の受診。桂枝加苓朮附湯飲んでから、毎朝あった手指の痛み、むくみ、こ わばりがなくなった。
急性期の場合は、猪苓湯が第一選択となる。冷えがある場合は反復する場合はこれに四物湯を合した猪苓湯合四物湯を用いる。炎症が強い場合は竜胆冩肝湯を用いる。
慢性期は、五淋散が第一選択で、反復するものにも用いられる。神経過敏など精神症状があるものには清心蓮子飲や半夏厚朴湯が著効することがある。また冷えのある場合は、四物湯をベースとした当帰四逆加呉茱萸生姜湯を用いる。