【症例1】
主 訴:食欲不振、食べる事が苦痛
現病歴:生来極めて少食の痩身だが、2ヶ月前から食後1-2時間後に不快感、脱力感、 嘔気、腹痛、胸部の圧迫感のため、食べる事が苦痛になり、徐々に体重が減 少している。漢方治療希望でX年7/9受診。
現 症:舌候 淡紅・白沫+、脈候 小・弱、腹候 腹力1/5・臍上&臍中の悸+、臍 下不仁+++
臍下芯+、腹壁が極めて薄く便塊が触れる状態、
HT149.5cm、Bw33kg
【経過】
Day 0 気虚、脾虚、裏寒と考え人参湯。
Day28 食欲が出てきた。食後の腹痛は1/10と楽になった。嘔気もない。体重 33.85kgと増加傾向に転じた。
【解説】
食欲不振にも色々原因はあるが、この方の場合は生来少食の痩身なので、こういった方は先天的な脾虚による気虚のことが多い。気虚の場合は、人参湯、六君子湯、補中益気湯や桂枝加芍薬湯や小建中湯などの補気剤を用いる。
一方で、ストレスによる食欲不振、胃痛、過敏性腸症候群などの消化器の不調は、肝鬱脾虚の状態なので、肝をなだめる柴胡桂枝湯や四逆散、柴胡加竜骨牡蛎湯などの柴胡剤を用いる。場合によって補気剤と併用する。