【症例1】
主 訴:浮腫
現病歴:
高血圧症、高脂血症で治療中。最近多忙で、足がむくんできた。水分のとりすぎはないし、尿もちゃんと出ている。
現 症:下肢浮腫±、身長160.6cm、70.9kgの堂々たる実証、両下肢浮腫±
経 過:
02/03 五苓散。
03/31 浮腫は改善している。
05/26 正座できるようになった。
五苓散は生理的な浮腫で、利尿剤を長期連用したくないものに試すと良い。
心不全や腎不全による浮腫には、利尿剤が必須である。
ファーストチョイスはなんといっても五苓散。証に関係なく広く使える。この他、中間証なら防己黄耆湯、木防已湯、実証なら越婢加朮湯、分消湯(煎)、導水茯苓湯(煎)を用いる。私は、癌性腹膜炎による癌性腹水に著効した分消湯の3例の経験がある。導水茯苓湯は何回か試したが、残念ながら腹水には効果を認めなかった。更なる治験が必要である。虚証には、真武湯、当帰芍薬散を用いる。当帰芍薬散で驚くほど浮腫がよくなる症例がある。